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 排便時に出血があるのですが、どんな病気が考えられますか?

 排便の時に肛門の痛みを伴って出血する場合、大多数は痔によるといえますが、必ずしもそれだけではなく、腸の病気からの時もあります。排便時にまっ赤な血がはしり出たり、ぽたぽた落ちる時は、大きなイボ痔(内痔核)からで、あまり痛みのないのがふつうです。排便時に強い痛みがあり、紙に血がつくような時は、きれ痔(裂肛)の場合が多いと言えます。一方、排便のたびに少しずつ出血し、痛みも伴わない時は、直腸がんが疑われることもあります。また、便に少し黒っぽい血がまじるか、コーヒーかすのような便が出る場合は、もっと奥の腸のがんや上部の消化管から出血していることも考えられます。粘液と血がまじっているような便が出る時は、潰瘍性大腸炎などの大腸炎が認められることがあります。子供の排便時の出血では、腸の若年性ポリープ等を疑ってみることも必要です。
しかし、腸のがんやポリープから常に出血があるとは限らず、便の潜血反応も陰性のこと多いので、排便時に出血がないからといって安心してはいけません。また、出血が少量だから痔だと自分で判断して、放置しておくのも考えものです。私どもの肛門外来を受診した患者さんで、全大腸内視鏡検査を受けた3〜4人に1人に大腸ポリープが、100人中3人に大腸がんが見つかりました。排便時に出血がある場合は、痔だと思っても積極的に肛門外来を受診し、専門的な診断を受けたうえで、大腸内視鏡などの各種検査を受けることが良いと思います。