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 大腸がんが最近増えていると聞きますが、どのような自覚症状がありますか。

 大腸の病気は、局所的に発生している場合はほとんど症状がないことが多く、下血や便通異常、排便障害、腹痛、腹満、腹部腫瘤、便が細くなるといった症状があった場合は、ある程度進行した、また病変の広がった大腸の病気を発見することも多いのです。大腸がんを例にとりますと、右側の結腸のがんは大きな腹瘤を触れるようになったり、それがもとで腹痛がおこるようになって初めて大腸の検査で進行した大腸がんが発見されることが多く、また左側の結腸やS状結腸のがんでは腸閉塞の状態になって初めて発見されることも多いのです。従って、大腸の早期のがんが特定の症状を示すことはほとんどなく、無症状でいつも便通が良いからといって、大腸の早期がんがないと安心してはいられません。現在の最も鋭敏な便潜血反応の検査方法でも、半数以上の早期がんは陰性です。それは、早期の大腸がんが必ずしも出血するとは限らず、また出血してもごく少量で便塊とよく混和せず、適当な採便場所も不明だからです。
そこで進行した大腸がんはともかく、早期のがんを発見するためには、無症状のうちから便潜血検査に加えて、早目に大腸内視鏡検査を受けることが肝要です。最近では大腸ポリープからのがん化例のほかに、陥凹型あるいは潰瘍性の早期がんの存在も注目されていますので、できれば大腸肛門の専門施設で、盲腸、上行結腸までの大腸内視鏡検査を受けることが理想的です。小さな潰瘍性のがんは、注腸X線検査では抽出されにくいからです。近年、食べ物が西欧化して大腸疾患が急増しており、大腸がんがいずれ胃がんを追い抜くだろうと言われています。このような現状をよく理解し、特に40歳以上の人や家族歴にがんが認められた人、下血や何らかの排便異常のある人は、すぐにでも大腸検査を受けるよう心掛けて下さい。大腸がんを含めた大腸の病気も、早期に発見して処理すれば、完治させることができます。