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 排便しづらく、会陰を押さないと便がでないのですが。

 とくに女性で便が直腸まで下がってきているのに、便が思うようにでない人がいます。直腸肛門機能も弱くなっているのですが、直腸と膣の間が弛んで、ポケット状に直腸が膣側へふくらむ状態になることがあります。これを直腸瘤とか直腸ヘルニアあるいは直腸膣壁弛緩症などと呼びます。排便造影というバリウムを入れて排便状態をX線で撮影をいたしますと、正常の直腸の位置より、骨盤と会陰が2〜3cm下降し、直腸が前方の膣方向へ4〜5cm袋状にとび出すように撮影されます。これが直腸瘤という状態で、場合によっては指で便をかき出さないとならないこともあります。便が直腸の前側に貯まって排便しづらいので、下剤を多用する人もいます。この治療は直腸肛門機能を正しく評価して、直腸瘤の程度に応じて治療しますが、最も良い方法は前方の括約筋形成と直腸瘤の縫縮術が根本的な解決策です。この方法により直腸瘤による排便障害はなくなり、快適な生活に戻れるようになります。