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 内視鏡で病気が感染すると聞きましたが・・・。

 洗浄・消毒が不十分な内視鏡を介して、胃潰瘍の起因菌であるヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)や、B型、C型肝炎ウィルス、またはその他HIVなどのウィルスや梅毒まで感染する可能性があります。日本消火器内視鏡学会では、洗浄と消毒法についてのガイドラインを作り対策をたてています。例えば、ピロリ菌の患者に使用した内視鏡を不十分な洗浄と消毒で次の患者に使用した場合にピロリ菌による急性胃炎を起こした例が最も多く報告されています。ピロリ菌は日本人の40歳以上で約70%が保菌し、消化性潰瘍や胃がんとの関係で注目されている菌です。したがって内視鏡の洗浄、消毒が不十分だと感染する可能性が高いと言えます。グルタールアルデヒドや強酸性水を用いると殺菌されて、感染予防に役立つことが証明されています。しかし残念ながら、一般のクリニックでは、内視鏡の洗浄や消毒について無関心なところもいまだにあります。特に生検鉗子(組織を取って調べる時に用いる)やポリープ切除のときのスネヤ(ワイヤー)などについては、完全に感染予防できるかについて疑問があるところであり、ディスポーザル製品を用いることが勧められています。患者さんも内視鏡を受ける時には、その施設がこれらのことに十分な対策を立てているかを知っておく必要があるでしょう。当院では、早くから院内感染や内視鏡における感染についてのマニュアルを作成して対策を実施しています。内視鏡の技術進歩とその普及が話題になりますが、隠されているこの問題には十分な注意を払わなければなりません。