肛門の病気は、どのような場合に手術が必要でしょうか。
おもな肛門の病気には切れ痔、いぼ痔、痔瘻があります。切れ痔は痛みと出血が主な症状で、繰り返すうちに傷口の炎症が広がって潰瘍ができます。こうなると排便後の痛みが終わってからもその痛みが肛門括約筋の痙攣を呼び、再び強い痛みに襲われ、ひどい時には半日以上も続きます。長い間には肛門も狭くなり、肛門乳頭を肥大させて、肛門ポリープや肛門の出口付近にイボができます。肛門潰瘍や肛門狭窄が著しい時や、肛門括約筋の緊張が強い時には手術治療となります。いぼ痔(内痔核)は最初のうちは排便時の出血のみで痛みはありませんが、症状が進むと排便時にいぼが肛門外に出て、炎症などによる痛みを生じる場合があります。いぼが指で押し込まないと戻らなかったり、常に肛門の外に出たまま(嵌頓)で、指で押し込んでも戻すことができなくなった状態になると手術治療が必要になります。また、肛門皮下の静脈のうっ血によってできる血栓や血腫である外痔核の場合、痛みが激しいときには血栓を切除することになります。肛門小窩から細菌が侵入して生みのトンネルができる痔瘻の場合は進行の度合いに関係なく手術が必要となります。
手術を避けるためには、便秘や下痢をしないような日常生活の習慣や食事に気をつけることが何よりも大切です。また症状があれば早めに受診することも大切です。