大腸・肛門病の知識 痔プロ.com
Knowledge of Colorectal Disease
STEP1
主な大腸疾患
主な大腸の病気  内視鏡検査で見つかる主な大腸の病気についてご説明します。
病 名 説     明
大腸がん 日本人に急激に増加している病気です。食生活の洋風化とも関連があると考えられています。早期がんでは、無症状のことが多く、内視鏡検査、注腸検査等を受けないと発見は困難です。進行がんでは発生部位、進行度によって種々な症状を呈しますが、下血(便に血が混じること)、下痢、便秘、腹痛等が見られます。しかし、症状だけでは診断は不能であり、心配がある時には早めに検査を受けることをお勧めします。
大腸ポリープ 大腸(直腸)の粘膜にできる隆起物をポリープといいます。ポリープにはいくつかの種類がありますが、なかでも腺腫性といわれるものはがんに移行しやすいといわれ、また、ポリープの大きさとガン化の率は比例しているため、腺腫性ポリープが見つかったら内視鏡的に切除します。大腸ポリープのおもな症状は時々病変が便にこすられて血が出るくらいで、痛みはありません。
大腸憩室症 大腸憩室症大腸の壁が弱まり外へ突き出したものを憩室といい、憩室のある状態が大腸憩室症です。この病気はほとんど無症状で、たいていは治療の必要はありませんが、一割に下痢、便秘、腹痛などが起こります。憩室の中に便がたまり炎症を起こして大腸憩室炎になってしまうと、発熱や腹痛などの症状を伴います。特にS状結腸の多発憩室では強く症状が出る頻度が高く、時に緊急的処置が必要となる時があります。
潰瘍性大腸炎 原因不明の、直腸に起こった炎症が大腸全体に広がっていく病気で、炎症による下痢と出血のため粘血水様便となります。また、発熱や貧血の症状もみられ、重症化すると大腸を切り取らなければならないこともあります。下痢と軽い出血の段階で適切な治療を受ければ症状は消えますが、全大腸型では再発をくり返し、完治が難しいのがこの病気の特徴であり、厚生省の特定疾患に指定されています。
クローン病
比較的稀な病気ですが、近年増加傾向にあり、日本では2万人強の患者さんが登録されています。主として小腸に原因不明の非特異性炎症が起きる病気です。慢性の経過をたどり、腸が炎症の結果細くなったり(狭窄)、腸に穴が開いたり(穿孔)すると手術が必要となります。症状としては粘液便、血便、慢性下痢、腹痛等が認められます。厚生省の特定疾患に指定されています。
虚血性大腸炎
大腸を栄養している結腸動脈が閉塞・狭窄することにより、大腸が虚血状態になり、これにより腸炎を生じる病気です。原因は高血圧、動脈硬化、不整脈、糖尿病があります。症状は突然の腹痛、しぶり腹、下痢、下血で大腸内視鏡検査、注腸検査にて診断がつき、一般的に輸液と安静で治療することにより症状が消失する場合が多い病気です。
アフタ性大腸炎・感染性大腸炎 細菌、ウィルスが原因で腸炎を生じる病気です。症状は発熱、下痢、腹痛等を呈します。原因細菌は病原性大腸菌、黄色ブドウ球菌、カンピロバクターなどがあり、原因ウィルスはロタウィルス等です。診断は上記症状と便培養検査で輸液、安静、及び抗生剤で治療します。
薬剤性大腸炎 抗菌剤(抗生物質)が原因となり生じる大腸炎で、偽膜性腸炎、出血性腸炎などがあります。血性下痢、しぶり腹、腹痛の症状をきたし、早急に原因となる薬剤を中止する必要があります。重症化する場合もあり、発症後すみやかに大腸内視鏡で診断をつけることが重要です。
過敏性腸症候群
腹痛を伴う便通異常が持続する病気で下痢になる場合も便秘になる場合もあります。腹痛は排便後に軽快することが特徴です。若年者にも多く、精神的ストレスと関係することが多いことから、胃腸神経症の側面もあります。治療は食事療法などの生活指導や薬物療法でかなりの改善が得られますが、壮年以上の年代の方は大腸内視鏡で他に大腸の病気がないことを確認することが重要です。
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