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■概念
腸の炎症性疾患には特発性の潰瘍性大腸炎やクローン病のほか、細菌・寄生虫・ウィルス・真菌の感染による感染性腸炎、薬剤・化学物質などに起因する薬剤性腸炎、放射線による放射線照射性腸炎、虚血性大腸炎、閉塞性腸炎など多くの疾患があり、これらのすべてを含むものが炎症性腸疾患(Inflammatory
Bowel Disease:IBD)である。一方、狭義には特発性(idiopathic)炎症性腸疾患として、潰瘍性大腸炎(Ulcerative
Colitis:UC)とクローン病(Crohn's Disease:CD)の両疾患を指すが、今日、単なるIBDだけで狭義の概念として用いられている。
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■疫学
UCとCDは欧米で多くみられる。我が国では1970年代までは稀な疾患とされていたが、1970年代以降急激に増加している。しかしながら罹患率(UC:1.95、CD:0.51)は、米国に比べ低率である。
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▼炎症性腸疾患の分布 |
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▼Ethnic prevalence of Crohn's disease |
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▼潰瘍性大腸炎の罹患率 |
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▼クローン病の罹患率 |
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IBD current 別冊「一目でわかるIBD」 2002年1月 より |
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