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■レーザー
レーザーはハイテクの響きがします。それだけで高等な治療で良さそうに聞こえます。事実、炭酸ガスレーザー、YAGレーザーが痔核治療に用いられました。しかし思ったより効果が悪く、学術発表も比較研究上で良かったという発表もありません。最近、半導体レーザーを用いて痔を治すという話があります。内痔組織内に緑色の色素を注入し、特定波長の光を当てて、内痔組織だけを凝固させるものです。無痛で合理的である反面、大きな血管成分の多い痔核や外痔核には無効と考えられます。また機械が高価なため、乱用される恐れもあります。パオスクレーや明ばん液を注射するのと結果は同等でしょう。
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■超音波
超音波メス(ハーモニックスカルペル)は腹腔鏡手術で用いているものです。今日の外科手術ではなくてはならないものです。超音波振動による組織蛋白変性(coagulum)で止血効果を得ることが出来ます。実際の痔核切除では、開放創になりますので、従来の電気メス切除法と効果は同様です。学術的比較研究でも同等であったとの報告です。
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■LigaSure
LigaSureは、双極電流をコンピュータ制御して、血管内のコラーゲンを変性させて血管をシールすることで止血します。これも外科手術でよく使用されている機器です。強固な接合効果のため、痔核手術では切除縫合を同時にして完全閉鎖します。これも理想に近いと想像されますが、実際は強固過ぎてその近くの肛門上皮、肛門粘膜が裂けて出血したり、手術部の血流が悪くなりすぎて創治癒が長引くこともあります。
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■PPH
PPHは、自動縫合器を用いて下部直腸粘膜を環状に2〜3cm幅切除し、肛門クッションを吊り上げる手術です。自然な肛門クッションはそのまま保存され、元の解剖学的位置に戻すことが原理的効果です。この方法はヨーロッパを中心に多く併用され、日本では辻仲病院を中心にWEB研究会のメンバーなどが手術を行っています。術後疼痛が小さく、早く仕事に復帰できることは、多くの比較研究で証明されています。しかし、外痔核の著名なものは、これ単独では治せません。また合併症も起こり得るので、よく理解し熟達した医師が執刀すべきです。
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■内視鏡
最後に内視鏡を用いて内痔核の結紮療法です。これには内視鏡を反転するか、内視鏡下に斜めに器具を出して痔核を吸引しながらゴム輪でしばります。肛門を拡張する必要が無いので、患者さまの違和感が少なく、また大きめの結紮も可能です。しかし器具が高価で技術も必要であり、肛門鏡を用いてゴム輪治療をするより有用とは考えられません。大腸内視鏡検査のついでに行うのは利便性があるとはいえ、痔核の明確な治療方針とはならないのです。
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