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Dr.辻仲の大腸肛門病教室
 
第九回 ジオン注による治療
当院でジオン注による治療をはじめました。新薬のため、当面は数日間入院して治療を行います。また、ジオン注の治療に適した痔核と適さない痔核がありますので、治療を希望される方は一度診察を受けた上でご予約いただくことになります。ここではジオンに関する最新情報をお伝え致します。
■適応

脱出を伴う内痔核
■ジオン注の特性

○内痔核患者の主訴である「脱出」及び「排便時出血」を早期に消失させる。
○手術に比べて「治療後疼痛・出血」などの発現頻度及び程度は低く、短期入院、治療後早期の社会復帰が可能である。
○1つの主痔核について、上極部粘膜下層、中央部粘膜下層、粘膜固有層、下極部粘膜下層に分割して投与する。
○17%に副作用が認められている。
■治療方法

四段階注射法(ひとつの痔核に対し、4ヶ所に分けて注射を行う方法)で行います。
@痔核上極部粘膜下層への投与 A痔核中央部粘膜下層への投与
B痔核中央部粘膜固有層への投与 C痔核下極部粘膜下層への投与
■作用機序

ジオン注の有効成分であるアルミニウムカリウムは、痔核内投与により急性炎症を惹起する。その炎症修復反応である肉芽形成を経た線維化により、脱出した痔核が硬化・退縮する。
また、早期投与には、硫酸アルミニウムカリウムの血管透過性亢進作用により血液濃縮が生じ、痔核局所の血流量が減少する。その結果、速やかに出血症状が改善する。
一方、タンニン酸は、硫酸アルミニウムカリウムによる過度な急性炎症を抑制し。2次的な組織障害を軽減する働きを担っている。
■2005年2月、北京海淀長青肛腸医院の院長、韓宝先生が「当院での消痔霊治療について」という題で、当院にて講演を行いました。「消痔霊」は中国での名称ですが、日本では同等の薬剤をジオンといいます。

講演の様子です。

韓宝先生が発表された、消痔霊の四歩注射法です。(日本語で訳したものを掲載しています)

○辻仲院長と松尾医師が中国で見学と実習を行った時のレポートはこちらをご覧下さい。


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