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当院では出産経験がある閉経後の女性に多い、骨盤臓器脱(性器脱・膣脱)の診断と治療も行っています。治療はメッシュを用いて行います。また、骨盤臓器脱に伴う直腸の機能障害(排便障害等)の治療も併せて行っています。メッシュ手術の利点は、何かの機能を失うことなく骨盤底を再建できるという点で、何も切除せず、腟壁を剥離(はくり)してメッシュを入れるだけなので、患者さんの負担が少なく、入院も短期間で済みます。
今回は、メッシュを用いた骨盤臓器脱(性器脱)の手術治療について詳しく解説していきます。
骨盤臓器脱(性器脱)の詳しい解説はこちら |
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■メッシュとは?
・ポリプロピレン繊維を網目状に編んだ、非吸収性の網状のシートです。厚さは0.36〜0.50mm。
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ガイネメッシュ(拡大) |
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メッシュの繊維 |
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■適応は?
・メッシュによる治療は膀胱脱、膀胱瘤、子宮脱、直腸瘤、直腸脱などの骨盤臓器脱(性器脱)に対して行っています。だたし、メッシュの伸張性には限度があるため、身体の成長または体型の変化に対応できないことがあります。従って、成長期にある子供や妊婦または将来妊娠を予定している女性には使用することができません。 |
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■痛みはどれくらい?
・痔核の結紮切除術(半閉鎖法にて3ヶ所以上切除)とメッシュを使用した手術の痛みの平均を比較してみましょう。下の図は痛みを最大10とした場合の、手術当日から手術後7日目までのグラフです。メッシュを使用した手術は痛みがとても少ないことがわかります。
(手術期間:2000年3月〜2007年11月)
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■メッシュはどのように使われるの?
・症状(病気)によって、メッシュをあてる部位が変わります。を膀胱瘤と直腸脱の治療の場合、図のようになります。
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膀胱瘤の治療 |
直腸脱の治療 |
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■手術実績は?
・当院では、2006年9月よりメッシュによる治療を開始し、2007年11月までで31例の手術をおこなっています。病名ごとの件数は下記の通りです。
病名 |
件数 |
直腸瘤 |
12 |
直腸脱、直腸瘤 |
11 |
膀胱脱、子宮脱 |
2 |
会陰ヘルニア、直腸脱 |
1 |
会陰ヘルニア、直腸脱、直腸瘤 |
1 |
子宮脱 |
1 |
子宮脱、直腸脱、直腸瘤 |
1 |
直腸膣瘻 |
1 |
膀胱脱 |
1 |
合計 |
31 |
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■実際の治療はどのようなもの?
・子宮脱のメッシュ治療
・直腸瘤のメッシュ治療
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■結論
メッシュを使用した手術は痛みが少ないことがわかります。早めに手術を受けることで生活の質が向上し、悩みからも開放されます。現在はさまざまな治療法がありますので、あまり一人で悩まず、当院へご相談ください。 |
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