著名な詩人の「詩」にも「痔」
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ランボーやハイネなど著名な詩人が詩の中で「痔」という言葉を使っていることがあります。少しなじまないような気がしますが、それでも、「痔」の文字がある詩がいくつかあります。今回は、その一部を次に抜粋し紹介します。
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○ ヴィナス水浴(ランボー)
(略)
─しかもこの肉塊が動き出し、大きな見事な臀をつん出す
いまわしいいぼ痔の見える。
新潮文庫「ランボー詩集」堀口大學訳から アルチュール・ランボー:1854−1891年。19世紀のフランスを代表する詩人。「地獄の季節」「イルミナシオン」などの作品がある。
○ 遺言状(ハイネ)
(略)
小便詰りと 底意地悪い
プロシヤもどきのこの痔疾
(略)
新潮社「世界詩人全集3 ハイネ詩集」井上正蔵訳から ハインリヒ・ハイネ:1797−1856年。ドイツの作家、詩人。ドイツ浪漫主義の完成者とされ、愛と革命の民衆詩人と言われる。
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ランボー肖像
国立国会図書館デジタルコレクション
から転載 |
○ A LITTLE FLOWER−BOY(稲垣足穂)
(略)
近ごろ姿を見せないので尋ねてみたら
坊やは痔で入院中だとさ
「稲垣足穂全集[第十巻]男性における道徳」筑摩書房から 稲垣足穂(いながきたるほ):1900−1977年。小説家。「一千一秒物語」「少年愛の美学」などで知られる。
○ 八月十五日(折口信夫)
(略)
八月十五日 朝早く出でゝ、ゐしやのいへに
ゆく。いのちのある間のしばしを、痔の
ためにくるしむことなからむとするなり。
(略)
中公文庫「折口信夫全集 第廿二巻」編纂 折口博士記念古代研究所から 折口信夫(おりくち しのぶ)1887−1910年。国文学者として、歌人(筆名釈迢空)として高い業績をあげた。主著に、『古代研究』『死者の書』『古代感愛集』など。
○ 虹の喜劇(コメディ)・W87年7月号(87年5月末執筆)(飯島耕一)
(略)
痔に苦しむ仲間たち
友たちよ 地霊の音楽 それとも
痔霊の音楽をきこう
(略)
思潮社「虹の喜劇」から 飯島耕一(いいじまこういち):1930−2013年。詩人、小説家、元明治大学法学部教授。著書に「飯島耕一詩集」などがある。
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