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痔の守護聖人サンフィアクル
~痔の守護聖人サンフィアクル ~痔は、『フィアクルの病気』とも~

サンフィアクル(Saint Fiacre、600年頃―670年)は、主に痔と庭師の守護聖人で、フランスでは、痔は『フィアクルの病気』とも言われています。

守護聖人は、キリスト教の伝統的な信仰のひとつで、特定の職業や国、地域などを、そのゆかりのある聖人が神へのとりなしを行い、守っているとされています。
このフィアクルは、もともとのアイルランドの修道士で、蛮族の中で伝道を行うため、パリ近郊のフランク族のところに定住しました。
フィアクルは、修道院を建てることを希望し、その地方の司教から1日で掘ることのできる溝で囲まれた土地を与えられ、そして、たったひとりで草木の繁る庭園にしてしまいました。

また、彼は痔をはじめとする様々な病気を癒し、彼の死後も癒しの奇跡は、この修道院で起きました。17世紀になっても、痔に苦しんでいた当時の権力者であるリシュリュー枢機卿は、このフィアクルの聖骨箱を開けることを請い、その骨を患部に当てました。そして、その後のために椎骨の一部を得ています。聖人の聖遺物は難病などの治癒に効験が高いとされているとされています。

ちなみに、このフィアクルについて、『ボヴァリー夫人』などで有名な小説家であるフローベールは、「紋切型辞典」の中で、このように書いています。
「痔疾 暖炉の上に腰かけたり、石のベンチにすわったりするとなる。聖フィヤックルの病ともいう。健康のしるしであるから、なおしてはいけない。」

 
痔の守護聖人サンフィアクル
サンフィアクル
守護分野:痔、庭師、紳士用品店、タクシー運転手、性病など
祝日:8月30日 表象:鋤
参考文献
HARVARD MAGAZINE
筑摩書房「フローベール全集5『紋切型辞典』」山田𣝣訳 1976年10月発行


 
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