狼は暁を駆ける
強靭な肉体と冷徹な精神を持ちあわせ、銃と車の操作にかけては右に出る者がいない西城秀夫は、警察庁刑事局に所属し、広域暴力団潰しの特命をうけた秘密捜査官だ─。
血で血を洗う抗争に明けくれる北九州一円の組織暴力団を壊滅させるため、単身九州に乗り込んだ西城は、そこで、ソ連製拳銃の密売ルートの存在を知り、別府、博多、長崎と、各地で熾烈で孤独な戦いを繰り拡げる・・・・・・。傑作長編
徳間文庫「狼は暁を駆ける」 大藪春彦著 1998年8月15日初刷のカバーから引用
こんなアクションヒーローも痔持ちだった。他の西城秀夫シリーズにも痔の描写があるかもしれない。(「狼は罠に向かう」、「東名高速に死す」には痔の描写はなかった。)
■本文
(略)
前輪駆動のチェリーX1は、前のタイヤで火山礫をはねとばしながら跳びだした。車の下がフラットに近いその車は悪路に強い。ただし、運転席の設計がよくないので尻がシートに沈みこみ、痔持ちにはこたえるが・・・・・・。
(略)
キムチはひどく辛かった。焼肉も辛い。痔が痛くなりそうだ。しかし、うまい。ビールを追加注文して焼けるような舌を冷やしながら、西城は階段を通る連中を見張った。
(略)
同上「狼は暁を駆ける」から引用
|