■大恩山 妙泉寺
小田原市にあります。このお寺にも痔疾平癒の信仰のある秋山自雲霊神が祀られています。 「『新編相模国風土記稿』の足柄下郡小田原宿代官町の項に、『北条氏(小田原北条氏)の頃は代官小路と唱ふ。家数八十六(中略)○妙泉寺 法華宗。中山法華経寺末。大恩山と号す(中略)▽毘沙門堂▽痔神社 神体は木座像なり』とある。」(「祖神・守護神」川口謙二著) 住職のお話しでは、このご神体である木坐像は、明治の廃仏毀釈によって失われ、現在祭ってあります像は最近復興されたとのことです。 また、この「ぢの神様」は、五代将軍徳川綱吉が帰依したと寺伝にあるそうです。
「妙泉寺は、今から約570年前・永享元年(1429年)、知見院日僧聖人が当時の住持と法論し真言宗より改宗しました。創建当時は久野にありましたが、500年前に北條早雲公の命により本町にある現在の地へ移されました。現在も久野には『妙泉寺前』『妙泉寺橋』と法号が残っております。」(妙泉寺発行のパンフレットより) 神奈川県小田原市本町3−13−15 ■浄法寺 創立は、正保2年(1645年)に開山。 境内には、延宝4年(1676年)の念仏供養塔をはじめ、元禄15年(1702年) の馬頭観音などの塔碑があります。 14代空誉観中上人が痔に悩んで、民衆の痔病からの平癒を念じて、生きたまま仏となりました。「痔仏」(じぼとけ)として信仰されています。「座布団をいただき、病気が回復すると二枚をお礼に供えるという風習があります。」(野田市商工会議所ホームページから) また、ご住職のお話によると、かつて春、秋には近隣の醤油会社の樽職人が毎年4,50人、祈願に訪れたそうです。
■長妙寺 痔の呪いのお寺としても知られています。 長妙寺のパンフレットに次のように記載されています。 『難渋を救う日康上人 二十九世日康上人が、長妙稲荷大明神を勧請すると同時に痔痛に難渋している人の余りに多いのに気付き、御祈祷の秘法によって救いたいと心願を立て、旧暦八月十五日に限る「痔の呪い」」で、当山年中行事の一番重要なものになり、御利益を戴いた人から人へ吹聴され、関東一円は勿論全国に速除苦悩の法悦の方が拡ろまりました。 この病は人間の恥部の悩みなので、心理的に躊躇(ためら)い独りで苦しみますが、その心配はなく住所姓名年月日を明記して申し込みます。これを御経をもって謹書してある人型に記入します。つまり本人のお姿に代わることになります。住職の手で秘法の呪いを施し、更に日蓮宗修法師の大験者数十名で入念に法楽加持の大祈祷の修法が行われます。 「呪い三年」の誓いの通り三年続けて呪いを受けて戴く方、再発しないように、又全治して御礼参りで永年参詣下さる方が多いのであります。 御祈祷を戴く場合御経で謹書した人型を呪ってキウリにつめて行います。御祈祷が終わりますと全部お預かりして、翌朝その年の恵方に入念に修法して一括に埋め、なお妙法の経力によって速除苦悩の美が顕われますように年中をご祈願しております。』 また、当寺には、八百屋お七の墓もあります。
■國神神社 くにがみじんじゃ 栃木県茂木町の神社。この神社では、毎年7月中頃に「じかたまじない」という奇祭を行っています。境内には、卵形の「尻洗いの石」があり、その石に向かって尻を突き出し、「けつぴたし」と3度唱えるながら痔の予防と平癒を祈願します。 2016年は7月10日の日曜日に実施されました。一時このお祭りは中断していましたが、2012年に「じかたまじない保存会」が復活したそうです。 保存会の方に伺うと、「じかた」というのは、この地方では「痔主」の方を指すとのことです。また、「けつぴたし」というのは、「けつをひたす(浸す)」から出ているそうです。 午前10時から、茂木町長、地元保存会の方、宮司さんなどのあいさつなどで始まり、エッグアートの表彰が続き、いよいよ「尻洗い」の儀式です。 まず、宮司さんが、見本を示します。声も動作も大きくさすがに上手です。次に保存会の方々から始まり、老若男女が参加、祈願しました。小学生と思しき子供たち(男女)もやっていましたが、さすがに声は小さいし、とても恥ずかしそうでした。あたりまえですが、「けつぴたし」になんてとても言えません。大人の方も、一人でやってもいいのでしょうが、大半の方が数人一緒にやっていました。 祈願には、1000円又は2000円納めます。1000円ですと、ゆで卵、生卵、飲み物をもらえます。2000円ですと、お札もいただけます。 このお祭りは、下野新聞、茂木テレビなどが取材していました。また、ブログなどにも掲載があり詳しく紹介されています。 國神神社のホームページには、次のように記載されています。 『7月に斉行される「じかたまじない」は、痔を予防し治癒させるといわれる奇祭。國神神社の主祭神・大巳貴命(大国主命)は、「因幡の白兎」の神話にもあるように病の治癒を司る神としても崇められる。このお祭りでは、清流・那珂川で尻を洗い清め、持ち寄った卵を御神前に捧げた後に食すと痔が治癒する、と伝えられている。祭礼が「むけっついたち」(6月1日)に行われるのは、田植えで身体を酷使し、冷やすために痔を煩う農民が多かったためで、この日は仕事を休み、祭典を行ったと言われる。 境内には、卵形の「尻洗いの石」が奉納されており、神事では、尻洗いを模して石に向かって尻を突き出し、石に尻をすりつけながら「けつぴたし」と3度唱える「けつぴたしの儀」も行われる。』
鎮座地 栃木県芳賀郡茂木町大字山内1034 神社への交通 真岡鉄道茂木駅より10km。 旧社格 指定村社 主祭神 大己貴命(おおなむちのみこと) 現在は家内安全、商売繁昌、五穀豊穣、交通安全等 配神 少彦名命(すくなひこなのみこと) 五穀豊穣 斉生命(別名 経津主命 ふつぬしのみこと) 武運長久 |
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