痔の散歩道 痔という文化

中国の痔
■中国医学の痔に対する認識についてご紹介します。

痔の診断と治療について

劉仍海 高暁光 代紅雨 李薇 指導:張燕生

1.中国医学の痔に対する認識

1.1 病名の起源:わが国の痔疾患に対する認識は夏商の時代(紀元前21〜11世紀)に遡り、当時の甲骨文字のなかに痔疾患についての記載がある。西周の時代(紀元前11世紀)の「山海経」に最も早く「痔」の病名が出てくる。「山海経・西山経」に、「合之山に鳥有る焉、其の状、鶉の如く、黒文にして赤翁なり、名を檪と曰い、之を食すれば痔已る。」とある。「山海経・南山経」に、「南に流れ海に注ぐ。其の中に虎蛟有り。其の状、魚身にして蛇尾なり。之を食すれば腫れず、痔の已るを以って可なるべし」とある。「荘子・例御寇」にも「秦王病有りて医を召す。癰を破り▲を潰す者、車一乗を得、痔を舐める者、車五乗を得る。」の記載がある。
痔に関する概念は二つの解釈がある。その一つは「痔」は「寺」に同じくし、そして「寺」の字は古代では移行、変遷の意味を有し、この世代とあの世代との境界地点を「痔」と称した。肛門部は人体内外の境界地で、それゆえ、当該箇所の病変を「寺」、或いは「痔」とした。「説文解字」にも、「痔、後の病なり」とあり、「増韵」では「隠瘡」と称しているが、すべて発病部位を指す。その二、「痔」は「峙」に同じというもの。「医学綱目・痔」に「腸◆は痔となす。大沢の中に小山の突出有るを峙となすが如く、人、九■の中に於いて、凡そ小肉突出するは皆痔に有り。」とあり、「三因極一病証方論」に「大沢中に小山の突出有るを痔となすが如く、人の九■の中に於いて凡そ小肉突出する者有れば皆痔と曰い、ひとり肛門辺に生ずるものにあらず。」とある。
したがって、痔の定義に関しては二種あり、広義の痔はすべての肛門疾患を指し、狭義の痔は即ち西洋医学でいう痔である。

▲は表記できない文字です。「やまいだれに坐]という字を書きます。
◆は表記できない文字です。「さんずいに辟」という字を書きます。
■は表記できない文字です。「あなかんむりに巧」という字を書きます。
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