便秘している(constipated)という事は、腸内の糞便の堆積物の排出困難を意味する事となっていますが、腸の活動は正常でも、大腸の通路に添って糞便が残るという便秘状態も又存在しています。多くの健康医学の権威も、便秘が殆ど全ての慢性病に共通する一番の悩みである事を認めており、便秘こそが文明社会における最も普及した慢性病であることを意味しています。便秘は大腸の健康に影響を及ぼし、大腸の状態が全身の健康に影響を及ぼすという事は、もっと強く認識されていい事です。便秘は身体の抵抗力を弱め、多くの急性病の基となり、症状の悪化と慢性化を進めます。殆ど全ての慢性病は、大腸の機能不全、つまり大腸が正常に、規則的に、能率的に機能しない事から発生しています。大腸の便秘は、他の排泄器官(腎臓、皮膚、肺、リンパ液)の負担を増加させます。これらの器官の機能が弱まり過労になると、細胞の新陳代謝は遅くなり、その回復と成長は遅れ、老廃物の排泄能力は低くなります。細胞は生きて活性化する代わりに、死んで不活性化します。この様な過程をたどってゆく事で、組織と器官の基本的機能は弱まってしまいます。私達がつくっている便秘の直接的原因のひとつは、老廃物の排泄器官の活動に全く寄与しない非ビタミン性の加工食品を日々摂取している事であり、もう一つは、若い人に特に多い(かといって年長者や分別のある人にもよくある)事ですが、便秘を催した時にトイレに行かないことです。
排便が二日に一度か三日に一度あれば、正常で許容範囲であると考えられています。私の専門家としての意見(多くの全身健康管理の専門家の意見も同様)としては、排便は食事ごとに毎回あるべきだと考えています。例えば、一日三食べるとしたら、毎日三回は排便がなくてはならないということです。もし、私達が一日二回以下の排泄しかしないとすれば、食物の残滓は12時間以上腸に留まることになります。その結果、糞便は腐敗し発酵します。糞便中に残った栄養分は汚染物質となって血管に入り込みます。言い換えると残留栄養成分が血毒症の始まりとなるのです。血毒症とは、血液が病原体や病原性バクテリアの様な有毒物質を含んでいる状態をいいます。ちなみに、ニキビは普通血毒症に身体が冒される最初の特徴であると言われています。
数年前、57名の英国の著明な医学者達がロンドンに集まり、国立医学会(Royal Society of Medicine)で、汚染された腸が原因の自家中毒症について意見交換が行われました。自家中毒は、”人体或いは人体の内部で造られた有毒物質による中毒”と定義されており、毒に汚染された腸(コロン)で発生する有毒物としては、22種類が判明しています。それは次の様なものです。即ち、フェノール、カダベリン、アガマチン、インドール、硫化水素、クレゾール、ブチル酸、ボツリヌス菌、腐敗菌、ウロビリン、ヒスチジン、アンモニア、マスクリン、メチルメルカプタン、インジカン、メチルガーデニン、インドエチルアミン、硫化ログロビン、プポマトロピン、ペンタメチルエンダミン、ノイリン、セプシン等。これらは、毒に犯された腸内で発見される有毒物質の一部です。これらの有毒物質のあるものは、高度に活性化しており、最も危険な効果をもつものも少量ながら生産されます。殆どの場合、これら有毒物は大腸から拡散して、身体の他の部分を汚染する事が多いのです。これらの有毒なものが、大腸から出て他の臓器に与える影響としては次の様なものがあります。
・心臓の活動を弱め、ストレスを与える
・皮膚に出て、シミや肌青症の原因となる
・かんせん、肝臓斑、しわ、その他顔面の諸症状を引き起こす
・肺を刺激して後に呼吸不全の原因となる
・脳に出て、精神面の機能妨害をし、もうろくの原因になる
・関節に来て関節痛や硬直をおこす
・筋肉に出て、筋力不足や疲労が進む原因となる
・若さを奪い、健康を損なわせ、年齢よりも早く老け込ませる |